ヒージャー×イタリアン始動
- 4 日前
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沖縄で古くから親しまれてきた『ヒージャー(ヤギ)料理』。非常に栄養価が高く「クスイムン(薬用になる食べ物)」として産後の疲労回復やハレの日の御馳走に用いられてきました。島に欠かせない大切なタンパク源であり、いわば「家族と地域を祝う象徴」だったと言えます。
琉球王国が海外と盛んに交易していた14〜15世紀頃に伝来したとされるヒージャーが、これほどまでに沖縄に根付いたのには理由があります。
雑草で育つため飼料が不要
病気に強く、飼育に手間がかからない
気性が穏やかで扱いやすい
台風や旱魃が多い沖縄でも、安定したタンパク源となり得た
お年寄りや女性でも育てやすく副業にも適していたことから、土地の条件や生活様式、行事文化のすべてに合致した、沖縄にとって理想的な家畜だったのです。
島にとって欠かせなかったこの食肉や食文化も、近年は衰退の一途をたどり、いわゆる「ヤギ離れ」が加速しています。その背景には、いくつかの要因があると考えています。
強烈な匂いのイメージが先行:「臭い」「クセが強い」という情報のみが独り歩きし、食わず嫌いを生んでいる。
家庭・行事での機会消失:地域や家庭でヤギを振る舞うという、伝統的な文化そのものが縮小している。
景観の変化:都市化が進み、かつて当たり前だった「ヤギのいる風景」が日常から消えてしまった。
食生活の変化:刺身や汁物といった伝統的な食べ方に馴染みのない世代が増えた。
こうしたヤギ離れの根底には、味そのものへの評価以上に、生活の中でヤギに触れる機会が減ったことによる「心理的な距離」があるのだと感じております。
そんな中、名護でヤギの飼育に情熱を注ぐ『株式会社日本ヤギ』の寺内代表との出会いがありました。私たちはこの大切な食文化の衰退に歯止めをかけるべく、伝統料理とは異なる<イタリアンからのアプローチ>でその一翼を担いたいと考え、本プロジェクトを始動いたしました。
「株式会社日本ヤギ」では、風通しの良い高床式の飼育施設を採用することでヤギのストレスを緩和し、さらに独自の発酵飼料を活用することで、特有の臭みを抑えた非常に食べやすいヤギを大切に育てています。
このこだわり抜かれた食材を使い、CROSS 47では趣向を凝らした3つの料理で、新たなヒージャーの魅力をお届けします。
ヒージャーのテリーヌ 生姜と島らっきょうのアイオリ
ヒージャーのポルケッタカルパッチョ 琉球山椒と命草(ぬちぐさ)
ヒージャーのラグー フーチバーを練り込んだタリアテッレとグレモラータ
古くから「クスイムン」として島人の心身を支えてきたヒージャー。その伝統をただ守るだけでなく、イタリアンの息吹を吹き込むことで次世代へと続く“美味しい記憶”に書き換えていきたいと考えています。これまで紡がれてきた豊かな食文化と、命を繋いでくれるヤギたちへの敬意を胸に、情熱を込めた最高の一皿を丁寧に仕上げます。
「まだ知らない美味しさ」に出会う喜びが沖縄の食文化を守る一歩になる。身体が喜ぶ『クンチ(根気・スタミナ)』を蓄えに、ぜひCROSS 47へ足をお運びください。スタッフ一同、皆さまのご来店を心よりお待ちしております。















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